[京都]計算づくで売上を上げる総菜店「マダムクック」[会社設立]| 京都設立アントレセンター

[京都]計算づくで売上を上げる総菜店「マダムクック」[会社設立]

地域の主婦をターゲットに「増販の３原則」で売上アップ

行本会計事務所　ユクモト増販情報センター　藤井真生（山口県防府市）

「株式会社ダイヤス食品」は、山口県宇部市にあり事業所用の弁当、仕出しの宅配を主にしています。さらに、１００％手作りの味を提供する総菜店「マダムクック」も３店舗経営しています。客層は主に主婦（マダム）。その中でも４０～５０歳代の方が大半を占めています。店頭には、毎日７０種類以上のおいしい手作りのお総菜が並び、お客様が好きなものを好きなだけとっていただけるバイキング形式のお総菜店です。

　近隣には、大手スーパーや惣菜店が多数あり、年々競争は激化。そのような現状から他店との差別化を図り、“地域NO.１惣菜店”を目指すことを目標に、今回の企画がスタートしました。

増販増客に取り組む前に

　私（藤井氏）が、ご支援を始めるにあたり、社長はじめ責任者である課長の溝部さんにこれまでの「マダムクック」の現状について、こと細かくヒアリングを行いました。そして、次に示す５つの問題点が浮き彫りになりました。

①誘客に必要である、のぼり・看板は設置されているものの大きく掲げてある電光掲示板を有効活用していない。

②お店を紹介するチラシを有効活用していないため、商品の紹介ができておらず、再来店に繋がりにくい。

③再来店化を図るために必要であるポイントカードなどの発行をしていないため、顧客データが全くない。

④年間数回のイベントは開催していたが、販促カレンダーを作成していないため、計算づくで売上アップをしていない、また１つのイベント開催においてスケジュール計画を立てていないため、計画的に実行されていない。

⑤メニューがマンネリ化しており、季節の旬の食材を使用したお勧めの惣菜の紹介をしていない。

　この問題点をできることから改善していくことにしました。

目標達成に向けての事業方針と狙い

　まずは、基本に忠実に「増販の３原則」をきっちりと行うことにしました。

《誘客の法則》　一見客が入りやすいこと

　現在使用しているのぼり・看板の設置場所の再確認を行い、お客様の目に一番入る場所へと変更しました。次に各店舗に設置されている電光掲示板を有効活用し、店の宣伝（本日のお勧めメニューの紹介）などを行いました。

《再来店の法則》　来店客が固定客化すること

　再来店化を図るため、まずはポイントカードを導入しました。リピーターとして来店頻度を高めてもらうことが目的です。お客様にはポイントを貯める楽しみを提供。もちろん回収時には顧客情報（誕生日も含む）を確実に収集しデータベースに入力します。そして、今後に役立てます。次に、年間販促カレンダーを作成し、２ヶ月に１度、季節の旬の食材をふんだんに使った定期的なイベントを開催します。

　月初めには、今月の人気メニューランキング表を店内POPで告知します。これは、各店舗の店長はじめスタッフで毎日提供しているお惣菜の残食量を量り、ABC分析を行い、本当に人気のある商品３品と売りたい商品２品を掲載した表です。その中で、今月の季節メニュー２品の紹介もしています。最近は、このランキングを見て、商品を買うお客様が増え、今まであまり売れなかった商品が売れたり、売りたい商品が売れる流れができてきました。

《頻客化の法則》　固定客が頻客化すること

　さらに、頻客化させるために、ポイントカードから収集した顧客情報をもとに、お客様の誕生日にお祝いハガキを発送し、来店を促しています。ハガキで来店したお客様には、主婦ならいくつあってもうれしい“洗剤”のプレゼントです。毎月９日には、“マダムクックデー”を開催しています。覚えやすいよう「クック」にちなんで９日に設定しました。このイベントは、“月１回のお得な日”としてお惣菜を半額で提供します。しかし決して安売り催事ではなく、社長の“毎日の主婦業ごくろうさま。マダム感謝の日”としてサービスしたいという気持ちから生まれました。この企画はまだ始めたばかりですが、ターゲットを絞った新聞折込、既存客にはDM発送・プラス電話、店内告知、必要に応じてのチラシのポスティングを徹底的に行い、定着させていきたいと考えています。