[京都]イタリアンレストランのおもてなし　来店率１０％超の記念日誘客[会社設立]| 京都設立アントレセンター

[京都]イタリアンレストランのおもてなし　来店率１０％超の記念日誘客[会社設立]

記念日誘客による売上げ、七ヶ月で100万円

株式会社ピーエーダブリュー営業部プランナー/わかやま増販企画センター　吉田美智代

和歌山市の中心部、和歌山県庁ほど近くに位置する創業17年のイタリアンレストラン「RISTORANTEポモドーロ」は、和歌山市ではイタリアンの老舗といえるお店です。

一時のイタリアンブームが落ち着き、競合店も多数できる中、新しい顧客層を掴んでいくことがだんだんと難しくなっていました。2年ほど前ごく近くに移転し、隠れ家的で入りにくかった店から、ガラス張りのオープンで明るい雰囲気の店へと転換を図りましたが、一見客がどんどん入ってくるような状況にはなかなかなりません。ここ数年は売上げが前年度割れする状況が続いています。この流れを止めるために、何をしていくべきなのか？私たちはまずお店の特徴をしっかりと把握し直すことからはじめました。

オーナー夫婦をはじめとした心温まる家族的なサービスと落ち着いた店内、他店には決して負けない本格的な料理が評判で、古くからのお客様をしっかりファンとして掴んでいます。また、客単価を調べてみると、イタリアンレストランとしては高額で、これ以上の単価アップは中々難しいと考えられます。

県庁に近接したオープンな店構えとなったことから、ランチ時には毎日満席になります。ところがディナーは人通りも少ないせいか、0.5回転が良いところで、閑散とした様子がガラス越しに街に映し出されてしまいます。これは客単価の高さや駐車場台数の少なさが原因で、新規客を多数ディナーに誘客するのはハードルが高いのではないかと考えました。そこで、ランチ来店客の顧客データをしっかりと掴み、お客様にとっての「大切な日・特別な日」にディナーでご利用していただける様、「記念日誘客」のしくみをつくることにしました。

「記念日誘客」はお店に元々備わっている、温かいおもてなしができるという特徴を最大限引出す手法です。ただ、顧客情報の管理やハガキの発送作業など、大変手間がかかります。少人数でお店を切り盛りしている「ポモドーロ」にとっては大きな作業負担となってしまいます。そこで、当面は当社が顧客管理を代行し、アンケートの集計からハガキの発送作業までをお手伝いすることになりました。基本的な流れは以下の通りです。

1．店内アンケートで来店客の顧客情報を収集する。

記入率を高めるため、毎月ディナー招待券が当たるようにしました。また、「あなたの記念日教えて」という欄を設け、誕生日とその他記念日の2つの日付を書いてもらいます。そうすることで、同じお客様に対し年に2回の記念日案内を送ることができます。

2.集まった顧客情報に対し、ハガキを使い記念日誘客を図る

オーナーのイラスト入りのハガキを作成。手書きメッセージを添えて1週間ごとに発送、まずはハガキで「おめでとう」の気持ちを伝えます。特別メニューを用意していることを明記し、予約を促進します。反応率を高めるため、ハガキを送った後に「プラス電話」することを計画・提案しましたが、どうしても電話は使いたくないとのことだったので、今回は見合わせることとなりました。

3.来店後にもハガキを出し、しっかりと事後フォローを行う

以後の来店に繋げるためには、事後フォローが欠かせません。来店後にもハガキを送ることで、お店の思いがしっかりとお客様の心に刻まれる事でしょう。

1年間で顧客データが約1000件蓄積され、平成19年の7月以来、700枚の案内を出しました。ハガキの反応率は１０％以上をキープしています。また、来店された方はお店のサービスに心から満足されている様子で、感謝のメッセージがお店に届くようになってきました。

このように「記念日誘客」を仕組み化することで、約7ヶ月で記念日による売上げは100万円に達しました。1年間続ければ、約1ヶ月分のディナー売上額に相当します。来店特典などを見直すことで、反応率もまだまだ向上させられるでしょう。細やかなサービス・誘客策を続けることは、予約による確実な売上げ増を見込めます。また、オーナー夫婦のもてなしの心をしっかりと形に表し顧客に届けることで、お店のファンづくりにも確実に繋がっていると思います。

今後は、CTPTマーケティングを駆使し、近隣の文化施設利用者を誘客すること、新規客を見込んだイベントを実施する事などを企画、着実に売上に繋がる施策を提案し、支援を続けていく予定です。