増販増客事例について

[京都]ネットによる新規開拓で営業エリアを拡大、昨対売上308%達成[会社設立]

念願の東京営業所開設の足がかりに

株式会社丸信　常務取締役　平木洋二（福岡県久留米市）

「株式会社丸信」は福岡県に本社を構える印刷会社です。今回は、「増販増客実例集2008」掲載事例の続報です。

「丸信」は、九州を地盤として包装資材、シールや紙器などの商品パッケージを製造販売しており、特に「シール印刷」に競争力を持っています。しかしそのシール印刷の業績が、ここ数年伸び悩んでいました。
印刷業界は「1年に1000社倒産する」厳しい業界ですが、さらに九州では人口減少が始まっており、そのことが食品用ラベルをメインとする丸信にとって、構造的マイナス要因となっていたのです。

構造的マイナス要因を払拭するために立てた仮設

このマイナス要因を打破するため、私は以下の仮説を立てました。
「2015年前後まで人口が増えると言われている首都圏での市場カバレッジ（カバー率）を高めれば、売上を増やせる余地があるのではないだろうか・・・」

最初から東京に営業拠点を設けて進出する手もありますが、仮設の段階でそれはできません。ましてや首都圏は競争も激しい地域です。そこでまずはインターネットを使って営業活動を行い、お客様動向や価格動向を調査し、売上のベースを作ってから進出することで、リスク低減させることを考えました。 

そして、2007年度は日本最大級のB2Bマッチングサイト「楽天ビジネス」に出店。受注率は楽天平均を大きく上回る効率の良い受注活動となりました。その結果、新規取引先34件、売上1000万円超を達成し、「楽天ビジネス2007、印刷プレス賞」も受賞しました。 
ここまではとてもうまくいきましたが、まだ改善できる課題もありました。それは、「思っているよりシール印刷の案件が少ない」、「価格競争が日々激しくなる」、「時間を取られる」、という3点でした。

1年目の課題を解決するために

そこで2年目は、よりシール印刷に絞り込むために、まず「シール」、「ラベル」、「シール印刷」、「ラベル印刷」等のキーワード検索がどの程度あるかを調査しました。結果一定量あることが判明したため、2年目の取組みは、PPC広告（アドワーズ）と楽天ビジネスの組合せを、より効果的に活用していくというものでした。
コンセプト（C）は「シール印刷・ラベル印刷、親切丁寧、スピード&コスト」。ターゲット（T）は「関東地区でシール印刷業者を探している企業」です。

PPC広告をスタートに組立てられたPT（プロセス・ツール）設計が下図のものです。
PPC広告が場当たり的なものに終わらないよう、組立てには注意しました。広告からのランディングページは、既存の会社案内的なサイトではなく専用サイトを新たに起ち上げました。
その専用サイトには「電話番号」はもちろん、「お見積もりボタン」やさらには「問い合せボタン」さらには「お電話します」という「電話予約ボタン」など、問い合せ方法を複数用意し、集客の確率を高める工夫もしました。

アナログ的工夫が効果を発揮

そしてお客様との「距離」というハンデをクリアするため、昨年より効果的だった「アナログ的な工夫」も引き続き行いました。例えば、商談が決まった際の心のこもった手書きの「お礼ハガキ」は「個別対応」の効果を発揮し、次なる商談の足がかりとなります。
見積もり後、商談が進まなかった場合でも「お詫びハガキ」を発送することで、継続的な関係となるきっかけを作っていくことができました。そして見積もり依頼があったお客様はすべてデータベース化し、その後のニュースレターやDM、つまり「継続発信」に役立てました。

また東京に出張する際には、商談になったお客様にアポイントを取って、できるだけ訪問しました。いわゆる「高質接触」ですが、遠方から来た営業マンは歓迎され、人間関係の深耕に大きく役立ちます。このように、ネット営業の中に意図して「アナログ的な工夫」を組込むことで、断られた案件の復活や別件の引合いにつながっていったのです。

以上のような活動を繰り返した結果、2008年度の売上は5ヶ月目で2007年度1年の売上を突破し、7ヶ月の累計で対前年308%を記録（1466万円）。新規取引先も、前年の34社に対して108社と、3倍以上の獲得件数となりました。しかもその9割が関東地区のお客様であることから、関東地区に伸びしろがあるという私の仮説も立証され、ついに念願だった東京営業所を、2009年4月に開設することができました。

ページの先頭へ

• お得な税務顧問コース
• 記帳代行つき丸投げ税務顧問コース

• 会社設立の流れ
• 法人成りのメリット・デメリット
• 資金調達
  (銀行融資・助成金)
• よくある質問