[京都]BSE騒動で落込む焼肉店を救え![会社設立]

支援前から年間売上143%達成

株式会社岡山増販情報センター 渡辺 晃(岡山県岡山市)

もともと美味しいお肉を提供していた焼肉店でしたが、約3年前にBSE(牛海綿状脳症)がニュースで話題にされてから売上が下降気味でした。
それまでは常連客で賑わう店舗として順調に売上も来店客数も推移し、常連客の同伴者により新規客も獲得できていました。
しかしBSEによる消費者への負のイメージは大きく、2007年の3月より弊社に相談がありました。
以前から顧客名簿は作成されていました。顧客情報の収集方法として、来店客に会員化を薦め会員カードを発行するものでした。

この会員の特典は、来店時に会員カードを提示すれば毎回ワンドリングのサービスを提供するもので、
支援当初で190件の顧客名簿がありました。

支援当初の先方との打合せにより、コンセプトは簡単に決まりました。お店の雰囲気や従業員の人柄などから「誰でも気軽に入れるお店」を目指し、新規客の獲得よりも「固定客(ファン)をより多く作る」ことに
1年間力を入れるというものでした。
そのためターゲットは「既存顧客」と定まっていました。振り返ると、このコンセプトとターゲットを早い段階で明確にでき、徹底的にアプローチしたことが良い結果へ繋がったのだと思います。
小さい店舗のため経費を使うこともできず、従業員も減らすことはできませんでした。
しかし小さい店舗だからこそ打合せから実施までの期間を最大限縮めて行えたことも、売上増へと繋がった要因の一つと思います。

催事は2ヶ月に1回のペースで実施しました。既存顧客への催事ハガキの送付、来店されたお客様の同伴者(新規客)への名簿取りを徹底していった結果、支援当初にあった190件の顧客名簿は1年間で750件となりました。このプロセスを1年間従業員共通の約束ごととして実施できたいことが顧客名簿の増大と従業員のモチベーションの維持に繋がりました。

催事の内容は年間のキーワードを元に、「〇名様以上のご来店でお肉一皿プレゼント」という、基本的に割引よりもプレゼントという特典で実施しました。6月の「父の日キャンペーン」ではターゲットは家族客で、この家族客から「同伴率UP」を見込んだ催事でした。

夏場に強いお店でもあったため、この「父の日キャンペーン」以降、営業時間前に列ができるようになり、それが通行人の目にとまり認知され、さらに来店を促す形となりました。忙しくなるにつれ従業員不足の悩みが浮上してきました。しかし、こちらから攻めて期待以上の反応が得られた結果、従業員のモチベーションは下がることもなく、増員せず1年間、6回の催事を無事に実施できました。

その結果、支援開始年の2007年は売上昨年対比143%、来店客数では148%を達成できました。
こちらの焼肉店の支援により、待つのではなく攻めに転じる重要性を私自身、改めて学んだと思います。
催事一つにしても真剣に考え、良い結果へと繋がった時の従業員のモチベーションの高さ、お客様への接客態度の向上など、数字では見えない部分の相乗効果も再認識させられました。

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