増販増客事例について

[京都]クーポン付カレンダーチラシでクリーニングショップ展開を軌道に[会社設立]

店舗売上昨対200％達成

コンサルティングオフィスSOL 代表 木津祐充(大分県大分市)

クリーニングショップ「S」1号店は、店舗と小規模工場とをセットに展開するユニットショップです。
このショップは、地域で最大手の設立50年を超えるクリーニング会社が事業再生の可能性を求めて新たに展開させたものです。

ところが1号店出店後3年経過したにも関わらず売上が伸び悩み、黒字化できない状況でした。

金融機関からの強い要請、リスケの交渉また大規模なリストラ策など、会社としての建て直しの取組みが進む中、クリーニング事業にとってこの新展開のショップを軌道に乗せていくことは急務となっていました。

売上が伸び悩んでいた原因は主に次の3点です。
①立地は県道より一本裏に入り、周辺地域に認知されていない。また看板等もあるものの工場と勘違いされ店舗と思われていない。
②トップ以下関係者が職人気質で売上を伸ばすことに関する意識が極めて希薄である。
③会社として計画的な販促がほとんどされていない。

増販増客に取り組むにあたって、まず会社として「値引きによる販促はしない」という大きな方針がありました。
この会社の特徴として価格は全体的に他者よりも高め、格安店と比較するとカッターシャツなどほぼ倍の価格です。その分品質は一定の評価を得ており、この品質の維持とその効果的訴求が増販増客を展開する上で重要なポイントです。
販促カレンダーの中で、この「品質」をどのようにアピールするかが大きなテーマでした。

メディアやスタッフ対策等いくつかの対策を実施してきましたが、ここでは特に効果があったものとして次の3点を挙げます。

販促カレンダーを作成

クリーニング業は、季節変動によりかなり影響を受けるものの、閑散期と繁忙期の差が激しく波がほぼ決まっています。
1年の流れを把握して計画的な販促に取り組むこと、また社内的に充分なコンセンサスを得ることが、取り組み開始にあたっての必要事項となり、その意味で販促カレンダーの作成は非常に効果的なものでした。

店舗対策の実施

県道側の店舗が閉鎖したことにより、薄汚れた壁面が露出してしまいました。
そこに「クリーニング」と書かれた看板があるだけでした。
そこで壁面の塗装と県道から目立つように店舗の入り口また訴求ポイントを示した看板を設置し、入り口付近にのぼりを立てる等、目立ちやすく入りやすい工夫をいたしました。

クーポン付カレンダーチラシの折込み、ポスティング

チラシのコンセプトは「ご家庭の冷蔵庫に貼っていただけるような、カレンダーをメインとしたクーポン券付のチラシであること」でした。

サイズはB4とし、カレンダーは3ヶ月分、クーポン券は使用期限を2週間として計6枚、サービス内容はいろいろと行いましたが、もっとも反応が多かったものとしては「特殊品を除く一点無料」です。
このクーポン付カレンダーチラシは、今回の取組みに先立って企画塾高橋塾長からのアドバイスでした。

これまでもポスティング等を何度か行ってきましたが、大きな効果が得られたわけではありませんでした。しかしこのチラシは劇的といえるほどの効果を出したのです。

効果絶大！クーポン付カレンダーチラシ

月平均クーポン使用者が50～70件、うち新規が15～20件、驚いたことには折込みから3ヶ月後も平均して同様のレスポンスがありました。
その結果、売上の昨年対比の平均は200％を超える結果でした。

平成19年7月からメディアに広告を掲載する等、増販増客に取り組み始め、いろいろな対策をしてきましたが、同年9月のクーポン付カレンダーチラシを打ったときから売上は期待以上に急増しました。

平成20年3～4月以降、原油高の影響でほとんどの業種が減収減益となっていたこの時期でもその効果が落ちることなく同程度の伸びを維持し続け、同業他社はもとより景気の落ち込みがピークを迎えていたと思われる夏季でも、7月は昨対280％超という3倍近い伸びを達成することができました。

現在では、この実績をもとに、クーポン付カレンダーチラシのバリエーションも検討しつつ、社内全体に水平展開すべく販促カレンダーを含め企画案を作成しています。
市場の縮小傾向が長年続いている斜陽産業のクリーニング業ですが、手法によってはまだまだ増販増客を達成できるということに自身をもてた事例でした。

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